マイナー12名山

丸山岳(1日目:残雪期1泊2日)

坪入山・稲子山方面

昨年の梵天岳からの転進で力尽きかけて「もう丸山岳なんてしない。」と頭をよぎったわけだが、今年もまた性懲りもなく丸山岳に再チャレンジすることになった。(2019年5月3日)

辛いことも楽しいことも徐々に忘れてしまうのが人間である。

これまでの反省

以下のとおり昨年までの反省点を活かすこととした。

・体調を整える。

当たり前だが体調が良くないと話にならない。昨年は入山前日に飲み会があり、1次会で帰ることにしたが、帰り道で魔が差し、ついついラーメンを食べてしまったところ、満腹過ぎて眠れなくなってしまい、ほとんど寝ないままアタックするはめになってしまった。このため、体調が悪すぎて初日から両足10回釣りのような体たらくであった。1日の行動時間も長く、荷物も重くなるため、体への負荷も大きいことから体調を万全にして臨まないと昨年のようになってしまう。

・バリエーションルートは使わない。

昨年の稲子山の斜面がトラウマになっており、やはりオーソドックスな窓明山経由で行くことにした。

・無駄に体力を消耗しない。

昨年まではどうしても未知の急斜面を登ったりしていると、「無慈悲~」「凄い無慈悲~」「無慈悲すぎる~」「無慈悲~」「苦しみセンサー発動!」「凄い苦しみ~」「苦しみ~」というような何の意味もないことをついつい連呼してしまい、無駄に体力を消耗していた。当たり前だが体力は少しでも温存しておくべきである。無駄口は厳禁だ。

巽沢山~家向山~窓明山

これらの反省点を胸に秘め、kmさんと国道352号線の窓明山登山口から歩き始めた。荷物が重いのに最初から急登である。「さっさと丸山岳に登頂して引退したい!」「引退だ~」「引退しかない!」「とりま引退~~」とついついkmさんと無駄口を叩いてしまう。

いかんいかん。巽沢山からは気を取り直して無駄口を慎んだ。そのせいもあってかまあまあのペースで上がっていく。やはり無駄口を叩かないと集中して登れる。仕事も山も集中力が大事だ。

家向山から窓明山へ今までにないペースかつ余力を残して登る。順調だ。去年ほど暑くないのも幸いだ。

窓明山窓明山

窓明山から坪入山方面を見ると今年はやはり雪が多そうだ。これは助かる。

坪入山・稲子山方面坪入山・稲子山方面

坪入山~高幽山~梵天岳

坪入山にはテントが張ったままデポされていた。

坪入山から西の1,754mのピークへ渡る尾根も今年は雪が完全に残っている。が、かえってこれが少し怖い。体力温存のためアイゼンを付けずにここまで来たのでそのまま尾根に取りつく。切り立ったところをトラバース気味に歩かなくてはならないので歩きづらい。やはりアイゼンを付ければ良かった。少しスペースがあるところでアイゼンを付けようとして振り返ったところkmさんは尾根に取りつく前にアイゼンを装着していた。ズルい!

とりま私もアイゼンを装着してまた歩き出す。やはりアイゼンを付ければスイスイだ。

三岩岳・会津駒ヶ岳方面三岩岳・会津駒ヶ岳方面

高幽山へ向かって鞍部へ降りていくところも昨年と比べれば雪が付いていないところがほぼなく非常に歩きやすい。雲が出てきて風もあるが、昨年は暑くて死にかけたことを考えると涼しくて非常に助かる。

鞍部から高幽山に登り返すところで高幽山から降りてくる4人組とすれ違った。坪入山にテントをデポして今日丸山岳に行って戻ってきたそうだ。我々もいよいよ行けそうな気がする~

高幽山への登り返しはさすがに疲れてきて足が重い。1,692mのピークから高幽山の山頂までがやたら長く感じた。

当初の想定では初日に高幽山くらいまで行って一泊して2日目に丸山岳にアタックし、3日目に下山という公算であったため、今日はここらでテントを張っても良いところではあったが、もちろんkmさんがそんな軟弱なことで許してくれるはずがない。

まだ明るいので明るいうちに行けるところまで行きましょうということで、さらに梵天岳へ向けて歩いた。いよいよ一歩一歩が苦しみだ。苦しみセンサーだ。苦しみセンサーMAXだ!苦しみセンサーを破壊して苦しみを感じなくしたいくらいだ。しかし苦しみから逃れることはできない。たっぷり苦しみを味わいながら歩く。この一歩一歩の苦しみが丸山岳へ続いていると信じて。ひぃぃ~

梵天岳梵天岳

今年は幸い鞍部に熊はいなかった。

梵天岳につく頃には日が落ちそうになっていたが、kmさんはさらに梵天岳の東の1,723mのピークへ向かって、昨年渡れなかった尾根を渡ってしまいましょうと主張している。今年は尾根に雪が十分付いている。しかし既に私はもう生きる屍状態であった。亡霊だ。

渡った先にテントを張るのに良い場所があるかも分からないことから、結局梵天岳の東面にテントを張ることで話がまとまった。助かった。しかし、HPがもうほとんど残っておらず瀕死状態であったため、テントを張るために雪を少し掘って整地する作業ですら全身が釣りそうになってしまった。。

テントを張る作業で力尽き、飯もあまり食べる気力がなく床についた。もちろん我々に寝袋はない。

丸山岳(1日目)のコースタイム

4:45 登山開始
5:45 巽沢山通過
9:45 窓明山通過
12:45 坪入山通過
15:45 高幽山通過
18:30 梵天岳着

 

2日目に続く)