会津百名山

巽沢山・家向山・窓明山(パート①)

会津百名山の本には超上級・登山道無という山も多い。

このような山は私のような素人下山家勤め人には無縁であるのは言うまでもない。と元々思っていた。

しかし、少しずつ雪山やバックカントリースキーも日帰りのなんちゃってのレベルながらやるようになったり、ネットで先人の登頂記録を見たりするようになって、もしかしたら自分も坪入山や丸山岳へ行けるのではないかという勘違い甚だしい状態になってきた。

そこで、ゴールデンウィークの残雪期にkmさんと坪入山&丸山岳へチャレンジすることにした。(2013年5月3日~4日)

国道352号線の南会津町・小豆温泉のちょっと北の保太橋沢のところの窓明山登山口から登って、ネットで見ると1泊2日で丸山岳をピストンしている人もいるが、私の脚力だと3泊4日は掛かるだろうということで、食料や寝袋等で70Lのザックをパンパンにして登り始めた。

また、残雪期登山に全く慣れていないこともあり、とりあえずスノーシューも持っていったが、結果的にはスノーシューは全く使わず、まさにただのお荷物になってしまった。

国道352号線(766m)から巽沢山(1,162m)までは雪はなかったが、慣れない重量の荷物を持ってイキナリ標高を400mほど上げなくてはならず、早速バテてしまった。

こんな体たらくで丸山岳へ行こうとしていたのだから今思えばやはり勘違いも甚だしい。偏差値30で東大受験に合格したいと言っているようなものだ。

ヘロヘロになりながら先へ進むと段々残雪の上を歩くようになった。残雪の上を歩くことにもまだあまり慣れていない中、無慈悲な登りでどんどん体力が奪われていく。

「無慈悲な登りだ~~」と連呼するが、もちろん許してはもらえない。

家向山の西峰(1,521m)に着いた時にはゲロを吐きそうなくらいになってしまった。

そのまま窓明山に向かえば良いものの、せっかく来たのでということで、荷物をデポして家向山の東峰のピーク1,526mへ往復した。三角点でもないし、特に意味のない往復であった。

家向山を過ぎると窓明山が見えるが、なかなか遠いし、高い。これはキツそうだ。

三ツ岩岳方面

既にかなりバテていたことや、窓明山の山頂には雲が流れていたことから、鞍部から少し登り返したところで雪洞を掘り、寝床とした。

雪洞を掘るのも慣れておらず苦労したが、かなり快適に寝ることができた。夜は星空もよく見えた。

 

翌朝、また登り始めた。青空に樹氷が映える。

ひたすら登って窓明山がいよいよ見えてきた。真っ白な山容がこれまた青空に映える。

 

三ツ岩岳方面

窓明山山頂(1,842m)からはイキナリ越後の山々が見え、一気にテンションは宇宙クラスに。

しかし、坪入山・丸山岳方面を見た瞬間、遠っ!となり一気に現実に引き戻される。ここまでのようなペースでは3泊4日で丸山岳往復どころか坪入山往復も厳しそうなくらいだ。

やはり我々の実力的には時期尚早だったかということで、あっさり「帰りましょう」となった。素人下山家勤め人の身分では残念ながらこの先を歩いていける気がしない。

下山を開始。遠くなっていく窓明山が名残惜しい。

家向山の雪庇

 

巽沢山を過ぎた先で数名の登山者とスキー板を担いでハードブーツで登っている人とすれ違った。残雪でスキーをやる人を初めてお見かけし、凄まじい体力だなと感心する。

 

下山後の伊南川。水が綺麗。

こうして初めての坪入山・丸山岳は全く歯が立たずにあっさり終了した。