北アルプス

笠ヶ岳・双六岳・槍ヶ岳

槍ヶ岳

前年の裏銀座縦走で北アルプスの味をしめ、今度は槍ヶ岳に挑戦することになった。(2012年8月15日~18日)

新穂高温泉→わさび平小屋(1泊)→笠ヶ岳(1泊)→双六岳(1泊)→西鎌尾根→槍ヶ岳→槍平小屋(1泊)の4泊5日テン泊の計画でスタートした。

笠新道から笠ヶ岳へ

初日(15日)は移動日としてyoさんとymさん、itさん、私の4人で新穂高温泉まで車で行き、わさび平小屋でテン泊して16日にまずは笠ヶ岳へ向かった。
15日仕事を休めなかったabさんは後追いで来てもらうことにしていたので、笠ヶ岳で合流かと思ったが、笠新道を登り始めて1時間もしないうちにabさんに追いつかれてしまった。やはりabさんはもはや同じ人間とは思えないレベルの体力だ。

テン泊縦走のため荷物が重く、急登でイキナリ絞られる。曇っていて天気もあまり良くないが杓子平に出ると若干テンションも上がってくる。

結局笠ヶ岳に着いた時点でも雲が多く槍ヶ岳はチラッとしか見えない。山頂往復してテントでさっさと寝る。

笠ヶ岳山頂の道標と三角点笠ヶ岳の道標 意外とショボいw

 

笠ヶ岳山頂の眺望雲が多くて周りの山が見えない

 

ブロッケンブロッケン

 

笠ヶ岳山荘笠ヶ岳山荘
笠ヶ岳山荘と笠ヶ岳笠ヶ岳山荘と笠ヶ岳

 

槍ヶ岳の穂先テン場から槍ヶ岳の穂先がチラ見(kmさん撮影)

 

笠ヶ岳笠ヶ岳

双六岳へ

夜明けともに歩き始めた。昨日より雲が少なく青空も見える。

夜明けの槍ヶ岳夜明けの槍ヶ岳(kmさん撮影)

 

笠ヶ岳笠ヶ岳(kmさん撮影)

 

朝陽を浴びる笠ヶ岳朝陽を浴びる笠ヶ岳(kmさん撮影)

 

焼岳・乗鞍岳・御嶽山方面焼岳・乗鞍岳・御嶽山方面

 

笠ヶ岳笠ヶ岳を振り返る

 

黒部五郎岳・薬師岳黒部五郎岳・薬師岳

 

秩父平秩父平
秩父平秩父平

 

槍ヶ岳逆光の槍ヶ岳

 

穂高連峰穂高連峰

 

槍の穂先槍の穂先(kmさん撮影)

 

鏡平鏡平(kmさん撮影)

 

槍ヶ岳槍ヶ岳

 

昨日の笠新道のような急登はないが距離が長い。双六小屋が見えてから、実際に小屋に着くまでが少し長く感じた。

双六小屋ではもちろん生ビールだ。

食後に双六岳山頂へ往復したが今ひとつ天気が良くなく、時折ぽつぽつ雨粒が落ちてくる。

双六岳山頂双六岳山頂(kmさん撮影)

 

鷲羽岳鷲羽岳(kmさん撮影)

 

いよいよ明日は槍ヶ岳だ。

西鎌尾根から槍ヶ岳へ

ついに槍ヶ岳アタックの日がやってきた。雲はあるが天気はそこまで悪くない。

西鎌尾根・槍ヶ岳西鎌尾根・槍ヶ岳

 

槍ヶ岳・穂高連峰槍ヶ岳・穂高連峰

 

三俣山荘三俣山荘(kmさん撮影)

 

焼岳・乗鞍岳焼岳・乗鞍岳(kmさん撮影)

 

正面に槍ヶ岳を見ながら西鎌尾根を突き進む。槍ヶ岳がどんどん近づいてくる。

槍ヶ岳槍ヶ岳(kmさん撮影)

 

槍ヶ岳槍ヶ岳(kmさん撮影)

 

槍ヶ岳直下は急登であった。「負荷~、凄い負荷~~」と連呼しながら登っていたら知らないおばちゃんたちに「こんなにキツいところなのに元気だわね~」と言われてしまい、赤面だ。登りはキツいが、槍ヶ岳を目の前にして足を止めることはできない。NHKの番組で田部井淳子さんも歩いたであろう斜面を一気に登り切る。

槍ヶ岳槍ヶ岳(kmさん撮影)

 

槍ヶ岳山荘に到着し、いよいよハシゴだ。凄い岩場で普段なら高所恐怖のところだが、テンションが宇宙なので全く怖くない。しかし、さすがに山頂は狭くて柵も何もないので怖い。

槍ヶ岳のハシゴ槍ヶ岳のハシゴ

 

槍ヶ岳山頂槍ヶ岳山頂

 

北方向北方向(kmさん撮影)雲が多い

 

笠ヶ岳方面笠ヶ岳方面(kmさん撮影)

 

槍ヶ岳山荘槍ヶ岳山荘(kmさん撮影)

 

槍ヶ岳山荘槍ヶ岳山荘(kmさん撮影)

 

新穂高温泉方面新穂高温泉方面

 

穂高連峰穂高連峰

 

時間が早かったせいか山頂行列も全くなく、山頂を堪能し、記念撮影をして槍ヶ岳山荘へ降りた。

殺生ヒュッテ殺生ヒュッテ

 

時間が経つに連れ、段々人が増えてきた。

槍ヶ岳から下山を始めた直後に”本当の”雷雨に襲われる

槍ヶ岳山荘の前のベンチを借りて昼飯を食べ、時間は早いが今日の幕営地の槍平小屋へ向かうことにする。

下り始めて10分もしないうちに雨がぱらぱら降ってきた。念のためザックカバーを付け、レインウエアを着る。

近くを歩いていたツアーの団体のガイドが「まだレインは着なくて良いですよ~」と言った直後にイキナリ雨が激しくなった。凄まじい雨だ。

ピカと目の前が光った瞬間に凄まじい雷鳴が真横で響く。

死んだ!と思った。

がまだ生きていた。急激な状況の変化で現実感がないが死物狂いで逃げるように下る。

あっという間に登山道は濁流になった。イキナリ沢下りになってしまった。

我々はいつから沢屋になったのか。

そんなことを思っているうちにも、眩い光と雷鳴が真横でバコバコ響き渡る。

生きた心地がしない。

ymさんが濁流となった登山道を避け、藪を切り開いて進んでいく。

さすがはymさんだ。

すぐ止むかと思ったが、結局1時間近く激しく雨が振り続けた。

レインウエアの甲斐なく全身びしょ濡れだ。

この世に完全防水のウエアなどないのだということを思い知らされる。

我々が今までに経験したことがないレベルの激しい雨だ。

これが北アルプスの”本当の”雨なのか。

沢は濁流となり、決死のダイブで濁流を飛び越えたりして下り続ける。

雨が止んだ後もすぐには濁流が収まらず、橋が流された沢もあったが、登山者など?が木で橋を作って渡れるようにしてくれていたところもあった。ありがたいことだ。

登ってくる人の中には胸まで水に浸かりながら沢を渡って登ってきたという人もいた。そこまでして登ってくることにびっくりだ。

濁流濁流の中を死物狂いで歩く(abさん撮影)

 

全身ずぶ濡れになってしまい、完全に戦意を喪失してしまったため、槍平小屋でのテン泊は諦めて今日のうちに下山することにした。

ずぶ濡れで何時間も歩くこととなってしまったが、生きて帰ってこれたのが不思議なくらいだ。

下山してから知ったのだが、この日槍ヶ岳山頂で落雷で亡くなった方がいたようだ。

(参考記事)

落雷で死亡は元関電常務 北アルプス槍ケ岳:日本経済新聞

あるじの視線 2012年8月の記事一覧 _ 槍ヶ岳山荘グループ(2012年8月18日の「雷事故」を参照)

槍ヶ岳落雷事故報告書 – ザイルと焚火と焼酎と

 

4泊5日の予定であったが、結局は3泊4日となった。

結果的に生きて下山できたが、kmさんの話によれば我々が槍ヶ岳山荘から下山を始める直前に槍ヶ岳山荘のスタッフがイキナリ雨戸を締める作業をしていたらしいので、その時点で異変を察知し、山荘で雨宿りをできれば良かったのかもしれない。

2009年の飯豊の強風以来の生命の危機であった。

 

槍ヶ岳・穂高岳(2019年版) 上高地・北アルプス (山と高原地図)

夏の北アルプス あぁ絶景!雲上のアドベンチャー [ 田部井淳子 ]